メキシコでは即日解雇も当たり前?日本とは違う雇用文化と対策
日本では考えられないようなスピード感で、あっさり「解雇」が行われる。それが、メキシコの職場では意外と“普通”だったりします。今回は、実体験をもとに、メキシコでの突然の解雇文化とその背景、対策について紹介します。
ある日突然「今日で終わり」
メキシコで働いていて一番驚いたのが、解雇のあっけなさです。ある日人事に呼び出されて「今日が最後です」と告げられる――そんなことが実際にあります。
もちろん重大な違反行為(勤務中の飲酒や薬物など)なら即日解雇も当然ですが、それ以外でも会社判断で突然の終了となるケースも多く、事前の警告や面談がないことも珍しくありません。
通知は当日、その場で解雇通告
朝は普通に出社していたのに、午後には人事に呼び出され、会議室で通知。そこからパソコンや社員証を即回収、デスクにも戻れず、私物の引き取りもできない――これが私が見たリアルな流れです。
備品やデータの扱いも徹底されており、業務中のデータ削除や情報持ち出しを防ぐため、社員のPCは即ロックされます。
私物は後日…心の整理が追いつかない
個人的に一番きつかったのは「片付けすらできない」こと。机の中やPC上に、消したかったファイルや残しておきたかったデータがあっても、もう触ることはできません。
私物はまとめてダンボールに入れられ、後日受け取る流れ。大事なものは常に手元に置いておくことが、自衛の第一歩かもしれません。
自己都合か会社都合か?“サイン”に注意
メキシコでは、会社都合解雇(despido justificado)の場合、最大で3か月分の補償(indemnización)が義務付けられています。
そのため企業側は、なるべく「自分から辞めたこと」にしたい。実際にはサインを求められ、拒否しなければ自己都合退職として処理されるケースもあります。
スペイン語での注意表現:
No estoy de acuerdo con este documento.
(この書類には同意できません)
書く前に読む・理解する――当たり前のようで、精神的に動揺していると難しいので要注意です。
社内で噂はすぐ広がる
会議室に呼ばれるだけで「何かあったな」と気づかれる。さらに経理・人事などからの“漏れ話”があっという間に社内に広がるのも現実です。
日本と違い、解雇は特別ではない分、情報管理の緩さも目立ちます。
日本とメキシコの「雇用観」の違い
日本では労働者保護が強く、解雇には段階的手続きや「正当な理由」が必要です。メキシコではその点がシンプルで、「会社判断で即日終了」も制度上は可能です。
だからこそ、雇用の自由度=突然の変化リスクとも言えます。
まとめ|メキシコでは「いつでも辞めさせられる」前提で動く
もしメキシコで働くなら、次の3つを心がけましょう:
- 常に私物と業務データは整理整頓
- 契約内容や解雇ルールを理解しておく
- 突然の通告にも動揺しない準備
悲しい別れもありますが、それもまた“文化”。冷静に受け止めつつ、心とデータの備えを怠らないようにしたいものです。
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