メキシコ グアナファト州の学校で「性教育プログラム」が始まる

メキシコ生活

〜メキシコの若年妊娠率を日本と比較してみた〜

最近見つけたメキシコのニュースを紹介します。
メキシコのグアナファト州で性教育プログラムが始まるというニュースです。

ニュース概要

2025年10月、グアナファト州政府の教育局(SEG)は、公立中学・高校を中心に「包括的性教育プログラム」を導入すると発表しました。
目的は、10〜19歳の若年層における望まない妊娠・性感染症の防止です。

保健省と連携しながら、以下のような内容が扱われる予定です。

  • 思春期の身体の変化や月経・射精の理解
  • 性的同意の重要性
  • 避妊法・コンドーム使用の教育
  • ジェンダー平等・性暴力防止の啓発

教育現場では、保護者の理解を得るための説明会も並行して行われるとのことです。
(情報出典:El Sol de IrapuatoPeriódico Correo など州紙)


メキシコと日本の若年妊娠率の比較(思春期出生率)

国・地域出生率
(15-19歳あたり/1,000人)
日本1.7人/1,000人(2023年)世界的にも最低水準。ここ10年でさらに減少傾向。
メキシコ60人/1,000人(2023年推計)OECD諸国の中で最も高いレベル。

※出典:World Bank, Helgi Library, Trading Economics


メキシコでは日本の約30〜40倍の割合で10代が出産。その差約35倍!!

グアナファト州の現状と課題

グアナファト州では、全国平均をやや上回る若年妊娠率が報告されており、
特に地方部での発生率が高いとされています。
背景には以下のような要因が挙げられます:

  • 性に関する話題が家庭や学校でタブー視されがち
  • 避妊具へのアクセスが難しい地域がある
  • 宗教的・文化的な価値観の影響
  • 教育機会の格差

今回の新プログラム導入は、こうした問題に対して「教育からのアプローチ」で取り組もうという動きの一つということです。

妊娠・出産をめぐる社会的背景

メキシコでは、かつては メキシコシティだけ が中絶を合法化している地域でした。
その後、ほかの州でも合法化が進みつつありますが、いまだ全面的に認めていない州も存在しています。

たとえば、グアナファト州では州議会が中絶の除罪化を否決したという報道もあり、
若年層の望まない妊娠に対して「医療的な選択肢」が限られているのが現状です。

こうした状況も、少女たちの選択肢を狭めている要因のひとつといわれています。
そのため今回の「包括的性教育プログラム」は、単に知識を教えるだけでなく、
性と身体についての理解を深め、自分を守る力を育てる試みとして注目されています。

今まで性教育はなかったのか?

現状までの経緯(グアナファト州の場合)

  • メキシコの教育省は、2000年代以降「性教育」を正式カリキュラムに含める方針を打ち出しています。
  • しかし、州や学校ごとに運用がまちまちで、宗教的・文化的な理由から内容が削られたり、実質的に行われていない地域も少なくありません。
  • 特にグアナファト州は、保守的なカトリックの影響が強い地域のひとつで、性教育に対して抵抗が根強く、これまで具体的なプログラムはほぼ存在しませんでした。
  • そのため、今回の「モデル・プログラム」導入は、州として初めて体系的な性教育を公式に始める動きと位置づけられています。

賛否両論の背景(メキシコでも日本でも共通する点)

  • 賛成派は、「正しい知識が子どもを守る」「望まない妊娠や性暴力の防止につながる」と主張。
  • 反対派は、「家庭で教えるべき」「性的な話題を子どもに教えるのは時期尚早」といった懸念を示す傾向

この構図って、日本でも非常によく似ているのではないでしょうか。
日本でも「避妊・中絶・性的同意」などのテーマは学校で十分に扱われず、
現場では「教える側が戸惑う」「保護者の反発を避けたい」といった理由で、
結果的に“触れない”教育になっているケースが多いと、ネット上でも声を見聞きします。


まとめ

  • グアナファト州では、これまで断片的・限定的な性教育しかなかった。
  • 今回のプログラムは、科学的かつ権利の観点も含めた「包括的」な教育を初めて導入する試み。
  • 内容や対象年齢をめぐっては賛否があるが、“正しい知識を持つことが予防になる”という考え方が広まりつつある。
  • 数年前まで日本で過ごしてきた私にとって「避妊具へのアクセスが難しい」なんて、今一つ信じられないような現実です。宗教的な考え方も日本とは違うので、事情はいろいろありますが、確かにメキシコに住んでみて、10代で出産している女の子が多いと身近にも感じます。日本の方が優れているとかそういう事はありませんが、日本では出産の高齢化や保育施設の不足が問題になっていますし、一方こちらでは若年層の妊娠が社会問題であり、どちらも両極端な問題を抱えているのだなと比べてみて実感します。メキシコでは成人していてもどんどん妊娠しているなと感じますし、(日本だったら社会人一年目や転職して1年目で妊娠なんて・・・と周りからの目を気にしますが、メキシコではありません。ガンガン妊娠報告を聞きます)それも社会が若い理由の一つであることは間違いないと思います。

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