メキシコのスペイン語で”huevo”は、卵じゃない意味がたっくさんあります。
スペイン語で huevo といえば、まず思い浮かぶのは「卵」ですが、メキシコではスラングとして非常に多彩な意味を持っています。
ノンネイティブとして、積極的に使うことは少ないですが、理解していると話にもついていけるし、たまに発するとウケます。今回は、日常会話でよく耳にする「卵以外のhuevo」の意味や使い方を紹介します。
比較的使われているHuevo
まずは、比較的よく聞く使い方からです。
怠ける・面倒くさい(hueva)
メキシコでは、huevo → hueva という派生語があり、「面倒くさい・だるい」という意味で日常的に使われます。
さらに、人に対しては huevón / huevona と呼び、「怠け者」「やる気のない人」という意味になります。
- Me da hueva levantarme temprano.
(早起きするのが面倒くさい) - Ese tipo es bien huevón.
(あいつは本当に怠け者だ)
友達同士の会話では頻出しますが、これもフォーマルな場ではNGです。
たくさん・めちゃくちゃ(誇張表現)
メキシコでは、un huevo de + 名詞 で「めちゃくちゃたくさんの~」という意味になります。
数字や数量を誇張するときに便利なスラングです。
- Tengo un huevo de trabajo.(仕事が山ほどある)
- Había un huevo de gente en la fiesta.(パーティーは人がめちゃくちゃ多かった)
「あたりまえ!」「やった!」の a huevo
もう一つの有名な表現が a huevo です。文脈によって意味が変わりますが、代表的には以下の3パターンがあります。
- もちろん! / やった!(同意・喜び)
¿Quieres ir al concierto? — ¡A huevo!
(コンサート行く? — もちろん!) - 絶対に / 当然に(強調)
Si estudias, a huevo vas a pasar.
(勉強すれば絶対に合格するよ) - 仕方なく / 無理やり(皮肉)
Lo hizo a huevo, aunque no quería.
(嫌だったけど無理やりやった)
このように、同じ a huevo でもイントネーションと文脈でニュアンスが変わるのが面白いところです。
日常遣いは少ないとおもうHuevo
次に、(私が女だからかもしれませんが)あまり聞かないHuevoの使い方です。もちろん、コミュニティが変われば頻繁に出てくることもあると思います。
睾丸(男性器)を指す
まず有名なのは、huevo = 男性の睾丸という意味です。日本語でいう「キ○タマ」に近く、非常に口語的・くだけた表現です。
この意味から派生して、勇気・根性を表す表現も生まれています。
- Me golpeé los huevos.(キ○タマをぶつけた)
- Le dieron un balonazo en los huevos.(彼はボールが股間に当たった)
この使い方は日常会話で若者を中心によく使われますが、フォーマルな場では避けるべきですね。男の子同士でHuevosを蹴るアクションをしながら話しているのを聞くことがあります。
勇気・根性の象徴
「睾丸」の連想から、tener huevos は「根性がある・勇気がある」という意味になります。
スペインでは似たニュアンスとして tener cojones というフレーズがあるそうです。
- ¡Hay que tener huevos para hacer eso!
(それをやるには根性がいるな!) - Se necesita mucho huevo para enfrentarse al jefe.
(上司に立ち向かうには相当な度胸が必要だ)
この表現は、褒め言葉としても皮肉としても使われます。
まとめ:huevoは「卵」だけじゃない!
メキシコのスペイン語で huevo は、卵だけでなく以下のような意味を持つ多彩なスラングです。
- 男性器(卵の形から連想)
- 勇気・根性(tener huevos)
- 面倒くささ・怠け(dar hueva, huevón)
- 大量・誇張(un huevo de ~)
- 同意・強調・皮肉(a huevo)
メキシコに住んでいると、日常会話のあちこちで耳にする言葉です。
学習者からすると、このようなスラングも性数に気を使わないといけないなんて、スペイン語を流ちょうに操るにはまだまだ時間が必要だと思わされます。
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