「今日辞めます」が通る国、メキシコでは退職代行が無意味な理由

メキシコ生活

メキシコでは「今日辞めます」でOK?日本と違う退職制度と文化

日本では「辞めたい」とすら言い出せない職場がある一方、メキシコでは「今日辞めます」と伝えて退職が成立するケースも。
この記事では、メキシコの退職制度と文化を日本と比較しながら、実際の流れや知っておきたいポイントを紹介します。


メキシコの退職制度|未消化の有給は全額支給される

メキシコの労働法では、退職時に未消化の有給(vacaciones no gozadas)は金銭で精算されます。

さらに以下の制度も対象期間分が法的に清算されます:

  • Aguinaldo(アギナルド):年末に支給される法定ボーナス
  • Fondo de ahorro(貯蓄基金):会社と本人が拠出する積立金

退職後、会社に連絡・訪問すればこれらの支給を受け取ることが可能です。


事前通告なしでも退職できる?

メキシコでは、退職にあたって引き継ぎや事前通告が法律上の義務ではありません。突然「辞めます」と伝えて、そのまま退職する人も珍しくありません。

企業側は困る場合もありますが、労働者の権利として制度的に保障されています。

スペイン語での一言:

“Hoy será mi último día.”(今日で退職します)

“Gracias por la oportunidad. Me retiro.”(お世話になりました。退職します)


メキシコには「転職代行」という概念がない

日本では、「自分で退職を伝えられない」人のために、第三者が代行してくれるサービスが広まりつつあります。

一方で、メキシコでは退職は当たり前の行為。会社への忠誠心よりも「自分の生活の向上」が優先される文化があります。

そのため、上司や同僚に引け目を感じる必要もなく、「退職代行」という発想自体が存在しないのです。


私自身の経験(日本 vs メキシコ)

日本では、有給を満足に使えず、退職時に残っていた休暇も消化させてもらえませんでした。結果、すべて失効。今となっては非常にもったいない体験でした。

その点メキシコでは、有給もキッチリ支給され、「辞めます」が通る文化に驚きました。


メキシコでは「辞める=悪いこと」ではない

メキシコでは、転職理由として給与アップ・距離・人間関係などはごく一般的。
「より良い条件に移る」ことに対して後ろめたさを感じる人が少ないです。

だからこそ、仕事の辞め方にも選択肢があり、働きやすさにつながっているのだと感じます。


「辞めたいのに辞められない」…そんな葛藤が日本にはありますが、メキシコではそれが制度的にも文化的にも存在しません。もし今の働き方に息苦しさを感じているなら、一度“違う国の常識”を知ってみるのも悪くないかもしれません。


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