日本の“冷たさ”が恋しくなる?メキシコの人間関係がしんどい時に読む話

メキシコ生活

メキシコで感じた「人間関係のしんどさ」と、うまく距離を取る方法

メキシコと聞くと、「陽気で明るい人が多い」「フレンドリーな文化」というイメージを持つ人が多いかもしれません。実際に、現地で暮らし始めた当初は、職場でもたくさんの人が笑顔で声をかけてくれて、親切に接してくれることに嬉しさを感じていました。

でも、長く働いているうちに、その“フレンドリーさ”が逆に負担になってくる瞬間があることにも気づきました。

仲良くしてもらえるのは嬉しいけど、“近すぎて疲れる”問題

日本の職場では、朝の「おはようございます」さえ交わせばそれで十分、という空気があると思います。でもメキシコの今の職場では、すれ違うたびに毎回、挨拶やアイコンタクト、軽いジョーク、リアクションが求められるような文化があります。

最初は「ちゃんと見てくれているんだ」と好意的に受け取っていましたが、だんだんと「常に笑顔を作らなきゃ」「反応を返さなきゃ」というプレッシャーになり、精神的に疲れてくるようになりました。

しかも、たまたま反応が薄くなると、「怒ってるの?」「無視された」と極端に受け取られてしまい、それが噂として社内に一気に広まるスピードもすごいんです。気づけば「スカしてる」「冷たい人」と勝手にレッテルを貼られてしまうことも。

感情が仕事に持ち込まれる、職場での“味方/敵”構造

もう一つ驚いたのは、人間関係がとてもWetで感情ベースで動いているという点です。例えば、何か意見がぶつかったり気まずいことがあると、「もう口をきかない」となることが本当に多く、しかもそれが仕事中であっても関係なし。

「これって小学生の人間関係みたいだな…」と感じたこともあります。冷静に話し合って関係を修復するというよりは、感情が爆発→沈黙→周囲に拡散、という流れになりがちで、巻き込まれるこちらとしては非常に疲れる構造です。

一人になりたいのに、そうさせてくれない空気

さらに、メキシコでは「人といること=楽しいこと」という価値観が強いため、誰かが静かにしていたり、一人でいたいだけでも、「何かあったの?」「感じ悪い」と解釈されることがよくあります。

飲み会やランチの誘いも、断ると「あの人冷たいね」と陰で言われてしまう…。“気を使わせない断り方”が通じにくい文化なので、どこかで「参加するか、悪者になるか」みたいな選択を迫られているような感覚になることも。

日本との違い:ドライだけどラクだったかも

日本の人間関係は「冷たい」と言われることもありますが、少なくとも“必要以上に踏み込まない・相手に干渉しない”という意味では、気楽だった部分もあると、メキシコに来てこのウエットな関係を経験して気づきました。

挨拶も最小限、断っても「まあそういう人なんだな」で済む、噂もそんなに広まらない。こういう“適度な距離感”が、実は優しさだったのかもしれないと、今では感じています。

距離を取ることは、悪じゃない

異文化の中で生活することは、もちろん刺激も学びも多いですが、無理して相手に合わせすぎると、自分の心がすり減ってしまうということも強く実感しています。

「感じよく見える最低限のリアクション」だけを保ちつつ、「ちょっとクールな人だけど、そういう性格」として定着させていくのが、自分を守りながら長く働くコツかなと思っています。

郷に入っては郷に従う、も大切ですが、心が壊れてしまっては本末転倒。お互いの違いを理解しつつ、無理なく付き合っていく距離感を、少しずつ探していけたらいいなと思います。

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