メキシコで働きはじめていまだに慣れない文化のひとつが「職場でのプライバシーの扱われ方」です。
今日はその中でも特に驚いた、お金や個人情報の“オープンさ”について、私自身の経験から少しご紹介します。
※私の働いている会社での話です。
え、給料ってそんなにオープンなもの?
まず衝撃だったのは、給料の取り扱いが大胆すぎること。
毎月、会社控えの給与明細に「受け取りましたよ」というサインをするのですが、その明細がなんと、表向きで経理の机の上に無造作に積まれているんです。
日本だったら絶対に裏返して渡すとか、封筒に入れるとか、何かしらの配慮があるはず…。でもこちらではそういった気遣いはゼロ。
さらに驚いたのが、「○○さん、今月いくらだったね」「△△くんの給料は今いくらだっけ?」「△△くんは%%%ペソ。」など、社内で給料の話が日常的に飛び交うこと。
なぜかみんな、お互いの給料を知ってるし、気にせず話している。これは最初、本当に気まずくて戸惑いました…。私も、「ボーナスU0&$ペソだったよね?」って普通の会話で言われたことがあります。そこまで親しくないのに、覚えてるんだ!とびっくりした記憶が。
総務・経理の“会話のボリューム”にもびっくり
給料の話だけではありません。
総務や経理の人たちが、オフィス内で結構な声量で、社員の個人情報を話しているのも驚きポイントです。
例えば、「○○さんってこの前、家族が亡くなって忌引きだったよね、原因は○○で~」とか、「●●部の□さんはシングルマザーで、子供の父親は養育費を払っていなくて」とか…。
看護師さんも混ざっていたりいなかったり、、彼らとしては業務上必要なことを話しているというつもりなのかもしれませんが、周囲の人にも聞こえてるレベルで話していることに、最初はショックを受けました。
私個人としては、社員の病気や家族の状況といった情報は、もっと慎重に扱うべきだと思うんですが…これも文化の違いなのでしょう。日本でもこんなことを総務の人は話したりしているのかな?総務同士や経理同士で、周りに聞こえない状態で話すならわかるのですが、今の会社では場所を問わず、誰がいようがお構いなしです。たとえ社長がいたとしても、スペイン語を理解していないことを分かっているので、お構いなしです。
退職理由も詳細に記録&共有される!?
さらにびっくりしたのが、「退職理由」について。
日本では「一身上の都合により…」という便利な表現がよく使われますが、メキシコではそういったオブラートはあまり登場しません。
たとえば、「○○さんは家庭教師の副業が忙しくなって、シフトに対応できないから辞めた」など、かなり具体的な理由が記録され、そして話題にされます。
別に本人が公表したわけではないのに、なぜかみんなが知っている…。
私だけかもしれませんが、こういうのも気まずく感じてしまいます。
◆ おわりに:慣れてきたけど、やっぱり違和感はゼロじゃない
最初は驚いてばかりだったメキシコの“オープンな職場文化”。今の会社、そんなに大きくないので経理も総務も数人です。その中で新卒で今の会社で働いている人はいないので、前の職場でもこういう調子だったんだろうな、と勝手に想像しています。
今ではだいぶ慣れてきましたが、やっぱり時々、「え、そこまで言う!?」と感じてしまうこともあります。
これが悪いというわけではありません。むしろ、情報を隠さずオープンにすることの良さも感じています。
でも、自分の感覚や価値観を大切にしながら、少しずつ文化の違いと付き合っていく毎日です。
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